かとまんどう・どりーむ

いつの日にか、 と

あなたは 唄ったけれど

その いつの日にか は

もう とっくに過ぎてしまったわ

でなければ

それは きっと

永遠に やって来ない日のことよ

いつの日にか、 と

あなたは 唄ったけれど

ゆめは どこにでも 住んでいるわ

目玉寺院のあやしいぞうさん

生を見捨ててはならない。

しかし 雷は

一撃のもとに ひとを倒してしまう。

稲妻が 一瞬

夜を ほの白くする時

ぼくは幽霊のように みじめに

お前の からだを抱く。

熱い吐息が

精神をくすぐるから

しなやかな お前のからだが

ぼくの硬直したからだに まとわりついて

螺旋を描いて くるり くるり 宇宙に同調してる。

アンモナイトの漆黒の闇をかかえて・・・

雷鳴のあとに訪れた 絶望に 正面から向き合い

お前が 何か つぶやく。

生を見捨ててはならない。

仏陀の真実の眼


あなたの からだの

やさしい りんかくを

ゆびで たどっていけば

そこには

あなたみたいなものの

かたちが うかびあがる


 **  **  **


ほんものの あなたは

とっくに

どこかへ あそびにいったけれど

ぼくは いつまでも

その りんかくを たどって

わらったり してみる

ゆびは ひとさしゆび

りんかくのせんは みずいろ 


あやしい寺院のただしいひとびと

言葉は かんたんだ。

おそろしいことに

言葉は とても かんたんだ。

言葉の 森のなかで

ひとは よく道を失うと言うが。



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